外科的歯内療法 歯根端切除術 症例

歯根端切除術を行ったのに病変が再発、なんとか歯を残したい。

年齢 53歳
性別 女性
治療回数 2回(手術+抜糸)
通院目的 膿が出ている。違和感がある。
処置内容 再歯根端切除術
費用(税込) 143,000円
備考 4年前に他の歯科医院で
歯根端切除術を受けたが再発。

 

初診時

患者さんは4年前に他の歯科医院にて歯根端切除術を受けた後、問題なく過ごしていましたが、最近になって膿が出てくるようになって不安になり担当医に相談しましたが、「再治療による保存は難しい・・・」と抜歯を勧められました。患者さんは「なんとかしてこの歯を残す方法が無いものか」と、ご自身で色々調べた上で相談にいらっしゃいました。

口腔内診査を行いデンタルX線撮影を行うと、左上の側切歯の根尖に病変が確認でき、以前の歯根端切除術を行った名残が確認できました。また、歯根の深いところまで金属の土台が入っているのが確認できました。

 

患者さんに、①抜歯②再根管治療③外科的歯内療法④経過観察等の選択肢のメリットデメリットをご説明しました。この歯に関しては、太く長い土台があることもあり、治療による破折のリスク等を十分に説明しました。また、歯茎を切ることにより被せ物の周辺の歯茎が下がることで、歯の黒い部分がさらに露出する可能性もありました。全てをご理解された上で、患者さんは③外科的歯内療法、つまり再歯根端切除術を選択されました。

 

治療1回目(再歯根端切除術)

治療中に痛みが出ないように麻酔を十分に効かせてから手術しました。歯茎を歯に沿って切り、丁寧にめくっていきました。

膿んでいた部分を取り除き、特殊な溶液で感染源を染め出し、マイクロスコープで歯根の先の断面を観察していきました。歯の中のピンク色の古い防腐剤の周りで、感染している部分が青く染まっているのが確認できます。

この感染部分が原因で病気ができたと考えられましたので、逆側から歯根の中を徹底的に清掃しました。十分に清掃したのちに、歯根の乾燥を行いました。今回はレジン系の材料(ゼリストア)やスーパーボンド等の接着を期待できる材料も選択肢にはありましたが、MTAにて封鎖可能と判断し逆根管充填を行いました。

 

X線画像で充填されているのを確認し縫合しました。

患者さんは術前〜術中と痛みは無かったとのことですが、少量とはいえ歯と骨を削っているので、痛み止めと抗生剤をお出しし、その日は終了となりました。

 

治療2回目(抜糸)

5日後に来院された際にも痛みはほとんどなく、痛み止めも飲まずに済んだとのことでした。術前にあった違和感も、今は消失しているとのご報告も受けました。抜糸を行い、「ここから数ヶ月毎に、歯根の病気の状態を一緒に確認していきましょう。」とお伝えしこの日は終了しました。

 

経過観察(術後1年)

患者さんのご都合により経過が途切れておりましたが、1年後に来院された時は臨床症状もなく快適に過ごしているとのことでした。X線撮影を行い術直後のものを比較しました。病気が完全になくなっているのが確認できます。

抜歯と言われていた歯が無事に残り、患者さんもとても喜んでいらっしゃいました。この歯がどのような経過をたどるか、引き続き観察していきたいと思います。

保存が難しいと言われている歯でも、諦めずに全力で治療を行います。これからも歯内療法でお困りの患者さんのお悩みを少しでも解決できるように、日々アップデートを怠らず精進して参ります。

同じような症状でお悩みの方、ぜひご相談ください!