CASE

症例紹介

  • 根管治療
  • 歯性上顎洞炎

左上の内顎から膿が出ている。臭いもするしなんとかして欲しい。

通院時の年齢 30歳
性別 女性
通院回数 3回
通院目的 何年か前に治療を受けたが放置していた。
処置内容 根管治療+支台築造
費用 143,000円+22,000円(※治療当時の費用になります。)
備考 歯性上顎洞炎。鼻症状あり。

初診時

患者さんは何年か前に、他院で左上の一番奥の歯を虫歯の治療を受けている途中で治療を中断してしまいました。特に痛みがないので放置していましたが、2週間ほど前から歯が揺れ始め、上顎の内側にニキビのようなものができ、嫌な臭いもしてきたでの治療を希望されました。

 

術前に口腔内診査に加え、内顎にあった腫れにガッタパーチャポイントを挿入して、デンタルX線撮影を行いました。

さらに歯科用CTを確認すると、歯根の先の病変が上顎洞内にまで及んでいることがわかりました。

患者さんに、①抜歯②再根管治療③経過観察等の選択肢のメリットデメリットをご説明しました。どうしても抜歯は避けたいというご希望があり、まずは再根管治療をおこなうことになりました。

 

治療1回目

まず麻酔を十分に効かせてから、古い材料や虫歯を取り除き、歯の周りをレジンで補強しました。その後ラバーダム防湿を行い、超音波チップにて感染している部分を選択的に除去していきました。近心頬側根に通称MB2と呼ばれる根管も発見できました。全ての根管(全部で4つ)を次亜塩素酸ナトリウム水溶液で洗いながら、ニッケルチタンファイルで拡大形成を行いました。途中、内顎側の根管から多量の排膿が見られましたが、十分な洗浄を行ったところ、排膿はおさまりました。マイクロスコープで確認すると、根管の先が吸収しているのが確認できました。

根管内に殺菌のために水酸化カルシウムを入れ消毒済みの仮蓋で歯を封鎖して、1回目は終了しました。

 

治療2回目

2回目来院時には腫れは収まっており、もともとあった違和感も改善していました。再びラバーダム防湿を行い仮の蓋を外し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液とEDTAにて根管内を満たして、超音波にて薬液を根管の隅々まで撹拌しながら洗浄を行いました。十分に洗浄したら、根管内を根管バキュームとペーパーポイントで乾燥させます。根管充填(GP+BCシーラー)にて根管内のスペースを埋めていきます。その後はコア用のレジンによって土台を作製し、中に細菌が入っていかない状況にして治療を終えました。

 

術後のデンタルX線を撮影し、今後患者さんと共に病変の治癒を確認することをご説明し、治療を終了しました。

 

経過観察3年目

治癒経過が良好であったため、3ヶ月後に補綴を担当するDrが被せ物を行いました。
その後定期的に来院していただき、経過を追っていました。

治療してから3年後、デンタルX線およびパノラマX線撮影をさせていただきました。

根管治療 パノラマX線画像

歯根の病変が治癒しているのはもちろんですが、上顎洞内にあった炎症も治癒しているのが確認できました。大きく骨が失われていた部分も患者さんご自身の免疫力により、骨が再生していることが伺えます。

「もう抜くしかない。」と言われるような大きな病変がある歯だったとしても、この症例のように治癒することもあります。お悩みの方は、まずはご相談ください。

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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