CASE

症例紹介

  • 再根管治療 症例

「骨が溶けてしまっているから抜いた方がいい。」と言われた。なんとか歯を残したい!

通院時の年齢 37歳
性別 女性
通院回数 3回
通院目的 歯がグラグラする。抜きたくない。
処置内容 再根管治療+支台築造
費用 154,000円+22,000円
備考 根尖病変と歯周病が合併している。術前診査では予後不良。

初診時

患者さんは3ヶ月前に、右上の奥歯の被せ物がが取れたので歯科医院に行き治療を受けましたが、その際に「歯を支えている骨がほとんどないから、抜いた方がいい」と言われました。疲れるとズキズキしたり歯が浮いたような感じがあったので「おかしいな?」と思ってはいましたが、しばらく様子をみていると症状も治まっていたので、そこまでひどい状態になっているとは思っていませんでした。なんとか自分の歯を残したかったため、専門的な治療を希望されご相談に来られました。

カウンセリング後、口腔内診査を行うと歯がすでに揺れており、遠心の歯周ポケットには歯茎の奥深くまで器材入っていってしまう状況でした。デンタルX線撮影では、全ての根の先に大きな病気が確認できました。

再根管治療 術後デンタルX線dab4784d4608bd2e5abc6c5e7adc4e87.jpg

加えてCT撮影を行うと、全ての根の先に病変ができており、遠心根にできた病変は歯周病と合併していました。歯を支える骨が広範囲に失われており、治療の成功率のそれほど高くありませんでした。

再根管治療 術前CT画像

治療方針として、①経過観察②再根管治療③抜歯のそれぞれのメリットデメリットについてのご説明と、再根管治療で治癒しない場合は外科治療に移行する旨を重々ご説明しました。患者さんは自分の歯の状態が深刻であることは承知の上で「できるだけ自分の歯を残したい。」とのご希望があったため、まずは再根管治療を行うことになりました。

 

治療1回目

まず麻酔を行い広範囲に及ぶ虫歯を除去し、レジンにて隔壁後にラバーダム防湿および歯の消毒を行いました。次亜塩素酸ナトリウム水溶液で洗浄を行いながら、ファイルで根の先の感染を除去していきました。ファイルで根の先を探索しましたが、残念ながらどの根管も穿通しませんでした。

再根管治療 ファイルトライ デンタルX線

ファイルが到達できた範囲内において、ニッケルチタンファイルと超音波チップで感染源の除去と根管の拡大を行い、徹底的に根管内を洗浄し、水酸化カルシウムを貼薬し仮蓋にて封鎖しました。患者さんには外科になる可能性を改めて説明しました。

 

治療2回目

2回目の来院された際も症状は相変わらずあり、疲れた時に腫れる等の症状が出ていました。再びラバーダム防湿を行い仮の蓋を外し、根管内に薬液を満たした状態で超音波にて根管の隅々まで薬液を撹拌しながら洗浄を行いました。

再根管治療 コーンフィット デンタルX線

根管充填材(ガッタパーチャポイント)が拡大形成した位置まで到達しているかデンタルX線にて確認した後、根管内をからからに乾燥させ、ガッタパーチャポイントとシーラーを用いて根管充填を行い、コア用のレジンで土台を作製、できるかぎり細菌が侵入しない状況にして治療を終えました。

 

再根管治療 術後デンタルX線画像

 

術後のデンタルX線を撮影し、今後患者さんと共に今ある病変がどのように治癒をしていくかを一緒に確認していく旨をご説明し、治療を終了しました。

 

 

経過観察(23ヶ月後 セラミッククラウン)

術後2ヶ月の時点で補綴担当のドクターから「術後1ヶ月は動揺と疲れた時の違和感はありましたが、術後2ヶ月経って腫脹・排膿・歯牙の動揺もなくなったため、補綴しても良いでしょうか?」との相談がありました。患者さんの事情で通院できなくなる可能性があったことも踏まえ、補綴していただくことになりオールセラミッククラウンが装着されたと報告を受けました。術後3ヶ月の経過観察を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、一旦来院が途切れてしまいました。

それから2年が経ち、患者さんからご連絡いただけたことで経過観察を行うことになりました。口腔内検査では歯牙の動揺も歯周ポケットもなく、正常に機能しておりました。デンタルX線画像にて、確認したところ、遠心と口蓋根にあった病変が無事に治癒しているのが確認できました。

再根管治療 2年5ヶ月経過観察 デンタルX線画像

セラミックのクラウンが装着されており、痛みも無く機能的にも審美的にも患者さんは満足されていました。「抜かずに残していただいてありがとうございます。この歯がちゃんと残るようにしっかり磨きます!」と、嬉しいお言葉をいただくことができました。

近心根にデンタルX線では確認しきれない病変が残っている可能性はありますが、症状もないため引き続き経過を追っていきます。患者さんの素晴らしい免疫力のおかげで、このように重症度の高い歯でも治療により残せることがあります。改めて人間の治癒力というものはすごいと感動するとともに、コツコツと最善と思われる治療をこれからも続けていこうと思いました。

可能な限り患者さんのご希望に添えるように、これからも精進して参ります。

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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