- 歯根端切除術
セラミッククラウンを装着している歯、頬が腫れて膿が出てくる。歯根端切除術にて嚢胞を除去した症例。
通院時の年齢 | 39歳 |
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性別 | 女性 |
通院回数 | 3回(初診+歯根端切除術+抜糸) |
通院目的 | 歯茎が腫れて、膿が出てくる。 |
処置内容 | 歯根端切除術 |
費用 | 187,000円(治療当時の費用になります。) |
備考 | セラミッククラウン装着。根管の石灰化。頬側の腫脹あり。 |
初診
患者さんは、「左上の奥歯の歯茎が大きく腫れて、膿が出てくる。治してほしい」を主訴に来院されました。
口腔内診査では、患歯である左上6はセラミッククラウンが装着されており、異常な歯周ポケット・動揺・打診痛はありませんでしたが、頬側根尖部が腫脹しており、押すと痛みがありました。
CTでは、左上6頬側近心遠心根に隣の歯を巻き込むほどの大きな根尖病変がありました。
治療方針として
①経過観察
②抜歯
③治療(再根管治療・歯根端切除術)
などのついてのメリットデメリットについてお伝えしました。
・自費のセラミッククラウンが装着されている
・口蓋根には病変がない
・頬側根管の石灰化が進んでおりデンタルX線・CT画像上で根管がほぼ確認できない
・大きなメタルコアが入っており除去時に穿孔する可能性がある
以上のことも踏まえて、治療方針についてご相談したところ患者さんは歯根端切除術をご希望されました。
今後、口蓋根に病変が発生した場合は、再介入する可能性についてもお伝えし、治療を開始することにいたしました。
治療1回目(左上6歯根端切除術)
浸潤麻酔をしてから、歯肉を切開剥離し、歯や骨から嚢胞や肉芽組織を除去し、根尖部を切断し染め出した後、破折がないかを確認しました。
破折線はなかったため、未形成の根管を逆根管形成および逆根管充填(MTAセメント)し、縫合しました。
治療2回目(抜糸)
術後1週間で来院いただいたき、抜糸を行いました。
まだこの時は違和感が強く残っていましたが、引き続き経過を見ることになりました。
経過観察(術後1年)
術後1年の経過観察時のCT撮影では、根尖病変の治癒傾向がみられました。
「来た時は大きな病気があったので不安でしたが、治ってよかったです。ありがとうございます!」とのお言葉をいただきました。
歯の状態や患者さんの希望などにより、同じ診断でも治療方針や段取りが変わることがあります。
今回は歯根端切除術により、大きな病変をもつ歯を無事に保存できたことを嬉しく思います。
引き続き大切な歯を少しでも残せるように日々精進してまいります。
※これらすべての口腔内写真やX線写真・CT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。