CASE

症例紹介

  • 再根管治療 症例

奥の歯の痛みが取れず、痺れるような違和感が消えない。再根管治療で治癒した症例。

通院時の年齢 64歳
性別 女性
通院回数 3回
通院目的 噛むと痛い。痺れるような症状がある。
処置内容 再根管治療+支台築造
費用 154,000円+22,000円
備考 病変が下歯槽管を圧迫し、麻痺症状が出始めている。

初診時

患者さんは左下奥歯の違和感を主訴に来院されました。15年以上前に被せ物の治療を受けたきり問題なく過ごしていたのですが、ここ半年くらいで疲れた際に噛むと痛く歯が浮いたような感じがする時がありました。最近は麻酔をした時のような痺れる感じがする時があり、何かおかしいと思いかかりつけの担当医に相談しました。担当医からは「専門の先生に診てもらった方がいい」と言われ、原因が知りたいと思い相談に来られました。

まず、口腔内診査とデンタルX線撮影を行いました。

再根管治療 術前X線画像 下歯槽管

歯は少し揺れており、軽く叩くと鈍い痛みがあり、根尖に大きな透過像がみられました。以前に根管治療がされていますが、根管の途中で防腐剤が止まっており、根の先のところが清掃されていないために病変ができていると考えられました。

病変が大きく、根の形態が複雑である可能性や神経の通り道との位置関係を把握するためにCT撮影を行いました。

再根管治療 術前CT画像 下歯槽管

根の先の病気は、下歯槽管と呼ばれる神経と血管の通り道を覆うように存在しており、たまに感じる痺れたような症状の原因はここにあると考えられました。

患者さんには、このまま放置することにより今ある症状が悪化する可能性がある旨をお伝えした上で、①抜歯②再根管治療③意図的再植術④経過観察等の選択肢のメリットデメリットをご説明しました。患者さんは「まだ歯を抜きたくはないのでなんとか残す方向で治療して欲しい」とおっしゃられ、再根管治療をすることになりました。

 

治療1回目

まず麻酔を行い、古い銀の詰め物を外すと中に赤いセメントが詰められていました。出来るだけ正常な歯を削らないようにセメントや虫歯を除去していきました。その後、レジンにて隔壁を作製しラバーダム防湿を行いました。

 

超音波チップで以前詰めてあったガッタパーチャポイントと呼ばれる防腐剤を溶かしながら削り取りました。下歯槽管が近いこともあり、ニッケルチタンファイルでの器具操作を慎重におこないました。根管内に殺菌のために水酸化カルシウムを入れ消毒済みの仮蓋で歯を封鎖して、1回目は終了しました。

 

治療2回目

2回目には歯の揺れも収まり、痛みや違和感はほとんど無くなっていました。気になっていた痺れるような症状も出ず、ホッと一安心でした。再びラバーダム防湿を行い仮の蓋を外し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液とEDTAを根管内に満たして、超音波振動にて薬液を根管の隅々まで撹拌しながら洗浄を行いました。防腐剤を詰める際も、根の先に材料が漏れ出てしまうとそれが原因で神経に症状が出てしまうこともあるため、細心の注意を払いながら詰めました。その後はコア用のレジンとファイバーポストによって土台を作製し、中に細菌が入っていかない状況にして治療を終えました。

再根管治療 術後X線画像 下歯槽管

術後のデンタルX線を撮影し、今後患者さんと共に病変の治癒を確認することをご説明し、治療を終了しました。

 

経過観察(1年6ヶ月)

術後1年6ヶ月の経過観察時、デンタルX線では根尖病変は治癒しているように見えます。

再根管治療 術前術後X線画像 下歯槽管

 

痛みはほぼ無いが、たまにその周辺に噛み合わせのせいか違和感はあるとのことでした。もともと神経を圧迫するくらいの病変があったこともあり、患者さんからの希望でCT撮影を行い術前術後を比較しました。

再根管治療 術前術後CT画像 下歯槽管

根尖病変が治癒し骨が再生しているのが確認できました。患者さんは「痺れることも無くなり、安心してご飯が食べれてます!」と満足されていました。神経を圧迫するぐらい大きな病変があっても、患者さんの免疫力が働く環境を作ってあげることで骨が回復することがあります。可能な限り患者さんのご希望に添えるように、これからも最善を尽くして参ります。

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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