CASE

症例紹介

  • 再根管治療 症例

左下の奥歯がズキズキ痛む。歯の中に穴があいていたが、抜かずに治療を希望。

通院時の年齢 66歳
性別 男性
通院回数 4回
通院目的 左下の奥歯がズキズキする。痛みを取ってほしい。
処置内容 再根管治療+穿孔修復+支台築造
費用 154,000円+33,000円+22,000円
備考 自発痛あり。くいしばりあり。今分岐部に穿孔あり。根尖孔外にGP溢出。

初診時

患者さんは「左下の奥歯がズキズキする」を主訴に来院されました。他院にて虫歯の治療を受けていましたが、虫歯が大きく神経に到達してしまったため、根管治療を受けられました。しかし、根管治療が終了して被せ物をした後にも痛みが取れず、食事や運動をしていても痛いなど、日常生活に支障が出てきたため来院されました。

口腔内診査では、患歯を叩いたり押したりすると鈍い痛みがありました。デンタルX線撮影を行うと、左下第一大臼歯の根尖と分岐部にX線不透過像がみられました。以前の治療で歯が大きく削られたことにより分岐部に穴があいてしまい、そこから材料が骨の中に漏れてしまっているのが原因で痛みが出ている可能性がありました。骨に漏れ出てしまった材料が原因で痛みが出ている場合は、根管の中を掃除するだけでは治癒に導いたり症状を改善させたりすることは難しく、外科治療になる可能性が高いことついてお話ししました。

CTを撮影してみると分岐部に病変も確認できました。

患者さんと相談の結果、まずは再根管治療を行い歯の中の病気の原因をできる限り除去した上で、それでも治癒しない場合は外科的歯内療法を行うことをお伝えしました。また、このように歯に穴があいていたり、材料が漏れでているような場合では、漏れでた材料が除去しきれず成功率が下がってしまうことから最初から抜歯を行う選択肢もありましたが、患者さんの希望により歯の保存を試みる事になりました。

 

 

治療(再根管治療:計3回)

まず浸潤麻酔を行い、被せ物を除去、表面の虫歯や古い材料を全て取り除き、レジンにて隔壁し、ラバーダム防湿をはじめとする無菌的環境下で治療を行いました。

遠心の根管の途中に横穴が空いており、そこからガッタパーチャと呼ばれる防腐剤が漏れ出ていました。漏れ出た材料を先の細い器材で除去し、根の中にある材料もニッケルチタンファイルで除去しました。根の先から飛び出してしまっている材料は除去することができないため、できるところまで清掃を行い、水酸化カルシウムを貼薬し一回目を終えました。

2回目の来院時には自発痛も打診痛も消失していて、ホッと一安心でした。ラバーダム防湿を行ったのち、肉芽組織を電気メスで除去後、穴の部分をMTAセメントにて封鎖していきました。硬化までに時間がかかる材料を使用したこともあり、この日はここで終了いたしました。

3回目の治療でも特に自覚症状はなく、経過は良好でした。最後に根管内を徹底的に洗浄し、防腐剤を詰めてレジンにて土台を作成しました。

再根管治療 パーフォレーション マイクロスコープ

術後にレントゲンを撮影し、漏れた材料や病変がどのように変化するかを患者さんと共に経過を追っていくことをご説明し、再根管治療を終了しました。

経過観察(術後3年)

患者さんは、その後症状も出なかったため補綴を行い、経過観察になりました。その後通院が途絶えていましたが、術後3年経った時に「左下の歯が痛い時がある・・・」との主訴があったため、デンタルX線およびCT撮影を行いました。

デンタルX線およびCT像において左下6の分岐部病変は治癒しており問題ないように見えます。しかし、左下7に以前にはなかった根尖病変が確認できました。こちらについては別の症例報告にてお伝えしていこうと思います。

 

大きな穴があり材料が漏れているような歯であっても、治療の仕方次第では保存することができる可能性があります。抜歯はあくまでも最後の手段です。同じような症状でお困りの方、ぜひ一度ご相談ください。

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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