CASE

症例紹介

  • 歯根端切除術

右上第一大臼歯の歯根端切除術後6ヶ月の経過観察

通院時の年齢 32歳
性別 女性
通院回数 1回
通院目的 歯根端切除術後の経過観察
処置内容 術後6ヶ月経過観察
費用 経過観察の為、 0円
備考 再根管治療で治癒しなかったため、歯根端切除術を行なった。

どんな治療においても言えることですが、経過観察を行うことでその歯がちゃんと治っているかどうかを確認していくことがとても大切です。今回は、外科的歯内療法である歯根端切除術の術後経過を追ったケースをお伝えしようと思います。Molven O, Grung Bらの文献「Incomplete Healing (Scar Tissue) after Periapical Surgery-Radiographic Findings 8 to 12 Years after Treatment」の結論では、全てのケースにおいて術後1年の確認を推奨しています。また、治癒の分類によってはゆっくりと骨の再構成がなされるケースも存在し、その場合平均4年かかるとも言われています。

治療した歯の病変が、治癒傾向を示しているか、現状維持なのか、それとも悪化しているのかの経過を追うことで、自分の治療のどこの問題があったのか、改善するにはどうしたらいいのかを知ることはドクターにとっても患者さんにとっても大変重要です。

以前の治療経過を知りたい方は、こちらをご参照ください。

奥歯の再根管治療をしたが治癒しなかったため、歯根端切除術を行なった症例。

 

経過観察(術後6ヶ月)

術後3ヶ月の時点で患者さんには、特に気になる症状はありませんでした。もともと奥歯でしか咬み合わせが無く、治療した歯にかかる負担も大きいため、注意深く観察する必要がありました。咬み合わせが強かったり、明らかに歯同士が干渉して痛みがある時は、歯が割れることもあるため、咬み合わせの調整が必要になります。デンタルX線撮影を行うと、以前よりも歯根の周りのX線不透過性が増しており、骨が回復傾向であることが伺えます。最初の根管治療前のデンタルX線画像と比較すると歯根端切除術後6ヶ月では病変が治癒傾向を示しているのがよくわかります。

歯根端切除術 エックス線画像術後6か月

患者さんから「何にも痛くないですし、今は全く問題ありません。ありがとうございます、今後もこの歯を大事にします。」とのお言葉をいただきました。咬み合わせの件もあるので、これからも引き続き経過をみていきたいと思います。

一つ一つの治療過程を大切に行い、小さな成功を積み上げることによって一本の歯の治療が行われています。これからも歯内療法でお困りの患者さんのお悩みを少しでも解決できるように、日々アップデートを怠らず精進して参ります。

同じような症状でお悩みの方、ぜひご相談ください!

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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