CASE

症例紹介

  • 根管治療

奥の歯が冷たいものが強くしみて、たまにズキズキする。このまま置いておいていいのか?

通院時の年齢 44歳
性別 女性
通院回数 3回
通院目的 冷たいものが強く染みる。たまにズキズキする。
処置内容 根管治療+支台築造
費用 143,000円+22,000円(※治療当時の費用になります。)
備考 歯髄に強い炎症あり。伝達麻酔に加え、術前に痛み止めを飲んでいただいてから治療した。

初診時&治療1回目

患者さんは右下奥歯が「冷たいものがしみる」「たまにズキズキする」を主訴に来院されました。数年前に虫歯の治療を受けて、銀の詰め物を装着してもらったが、ここ最近は冷たいものが強くしみるようになってきたとのことでした。

検査の際に右下の6番目の歯に冷たいものと熱いものを当てると、両方20秒を超える強い痛みが生じたため、不可逆性歯髄炎で神経の回復はみこめず歯の神経を残すのは難しいと診断し、患者さんに治療方針についてお話しました。当日の根管治療を希望されたこともあり、まずは麻酔を行い、除痛のための応急処置として虫歯の除去と歯髄を一部除去することになりました。

デンタルX線画像では、虫歯が神経のすぐ近くまで来ていることが確認できます。

虫歯の除去の途中で神経の部屋がうっすら見えるところまで到達し、この時点でレジンによる隔壁を作成し、ラバーダム防湿および術野の消毒等を行いました。

マイクロスコープ 歯髄

 

この日は冠部歯髄を除去してから、殺菌のために水酸化カルシウムを入れ消毒済みの仮蓋で歯を封鎖して終了しました。

 

治療2回目

2回目には痛みや違和感はまだ若干あるものの日常生活に支障があるものではないとのことでした。今回は根の深いところを触る予定にしていたので、伝達麻酔と浸潤麻酔を多めに注入してから治療を開始しました。初めは順調に治療を進めていたのですが、根尖付近を清掃していた際に痛みが生じました。麻酔を追加しましたが無痛での治療が難しいと判断し、一旦お薬をいれて治療を中断しました。次回は治療開始30分前に、処方した痛み止めを飲んでいただいた上で、治療をスタートすることをお伝えしました。

 

治療3回目

違和感等は前回よりも軽減していました。麻酔を十分に奏功させたのち、ラバーダム防湿を行い仮の蓋を外しました。今回は無事に痛み無く根尖部をニッケルチタンファイルにより拡大形成することができたので、次亜塩素酸ナトリウム水溶液とEDTAを根管内に満たし、超音波振動にて薬液を撹拌しながら最終洗浄を行いました。防腐剤で根管充填をした後、土台用のレジンとファイバーポストによって土台を作製し、中に細菌が入っていかない状況にして治療を終えました。

根管治療 マイクロスコープ 根管孔

術後のデンタルX線を撮影し、今後患者さんと共に病変の治癒を確認することをご説明し、治療を終了しました。

 

 

経過観察(6ヶ月)

術後6ヶ月の経過観察時、セラミッククラウンが装着された状態でのデンタルX線では、問題はないように見えます。術後1週間ぐらいは違和感がありましたが、その後は症状もなく過ごされているとのことでした。

 

炎症が強く麻酔が効きにくいような場合でも、術前・術中・術後に生じる痛みを最小限できるように配慮いたします。

痛みに不安がある方、ご希望に添えるように対応いたしますので、一度ご相談ください。

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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