FEATURE

当院の歯内療法の特徴

患者さんに寄り添い、
丁寧な治療を

短い治療時間では十分な治療を施すことができず、結果的に再感染が起こってしまったり、歯が割れやすくなるリスクがあります。そこで当クリニックでは、診療を「予約制」にし、一人ひとりの患者さんに十分な時間をかけ、より丁寧で症例に合わせた質の高い精密な治療を大切にしております。
また、より安心安全に治療を受けていただくため院長・副院長(女性)の2人体制にしております。2人体制で治療に当たることで、治療中にイレギュラーが生じた場合も、スムーズに対処することが可能です。また女性ドクターならではの気遣いも治療を円滑に進めていく上では大切です。
患者さんのお悩みを解決するために、カウンセリングから時間をかけ、治療内容・結果をご理解いただけるよう分かりやすくご説明するなど、丁寧で安心な治療をご提供いたします。「喉の奥に唾液がたまる」「足元が寒い」「お手洗いに行きたい」など長時間に及ぶ治療中にお困りのことがあった場合は、遠慮なくおっしゃってください。

細菌感染を防ぐため
無菌処置の徹底

歯根の病気、その原因は「細菌」です。(1)
つまり、原因である細菌を歯の中に可能な限り入れず、出来るだけ取り除くということが、歯内療法を成功させる最重要因子になります。
当クリニックでは、細菌が歯の中に入らないようにすべての根管治療でラバーダム防湿を用います。
治療には直経1mm以下の領域に対応できるよう極細の器具を用い、感染部分を消毒薬や超音波振動で徹底的に取り除きます。歯の中に入る器材に関しては、基本的に使い捨てで使用し、できないものは滅菌消毒をしております。最後に専用の材料を詰め、外れないようしっかりと封鎖します。治療後の経過観察も大切で、術後の病気の治癒を患者さんと一緒に確認していただいております。

一般的なテクノロジーの進歩とともに、歯科の世界も日々進化を遂げています。根管の形に沿うような柔軟性をもつニッケルチタンの機材、歯を何倍にも拡大し細かい部分を見ることができるマイクロスコープ、病気に関する多くの情報を術前に与えてくれるCT。これらの存在は、歯内療法の効率を大きく向上させてくれました。しかし、根管治療を成功に導くための基本的な考え方は、60年以上前から変わっていません。
そのために当クリニックでは、下記のことに取り組んでおります。

  • 根管治療の全症例においてラバーダム防湿を行う
  • シートの隙間から唾液が侵入しないようにコーキング剤を使用
  • 治療する歯そのものを消毒
  • 根管内に使用する器材は可能な限り使い捨て
  • 根の洗浄にチェアーから出る水道水を使用せず点滴用の生理食塩水を使用
  • 次亜塩素酸ナトリウム水溶液やEDTAなどを適切な濃度で患者さんごとに作製し使用
  • 歯の中に詰める防腐剤も充填前に消毒
  • 仮の蓋を入れる際に材料そのものを消毒

このような、小さな配慮をいくつも積み上げた先に、根管治療の成功があります。
根管治療や症状でお困りの方は、ぜひご相談ください。

参考文献

1. Kakehashi S, Stanley HR, Fitzgerald RJ. The effects of surgical exposures of dental pulps in germ-free and conventional laboratory rats. Oral Surg Oral Med Oral Pathol 1965;20:340–9. 

各種ファイルを個別に滅菌

ファイルとは、根管内の汚染された組織の除去を行う治療器具のことです。従来のステンレス製のファイルに加え、湾曲した根管を効率的に拡大形成することのできるニッケルチタン製ファイルも使用しております。
根管は複雑な形状をしており、患者さんによって歯の状態や歯根の湾曲が異なるため、最も適切な器材を選択し患者さん毎にカスタムします。通常、これらの器材は洗浄・滅菌して再利用する歯科医院が多いですが、当クリニックでは新品の物を滅菌し、一度患者さんに使用したファイルは、感染予防と安心安全な治療を提供するという観点から使い捨てにしております。

耳鼻科と連携し、
より適切で専門的な治療を

当クリニックでは、耳鼻科との連携を行い、歯や鼻が原因の場合には相互に患者さんへご紹介をしております。患者さんから症状などをヒアリングし、調べてみたら実は歯が原因ではなかったという例は少なくありません。それは耳鼻科でも同じく、蓄膿症(副鼻腔炎)だと思っていたら、実は歯の根っこの部分で炎症を起こしていたことが判明することもあります。そのような場合、根本的な解決と適切な治療がスムーズに行えるよう、耳鼻科と相互に情報共有を行い、患者さんにあった治療を行える体制を取っております。

精密治療のための設備

マイクロスコープ

マイクロスコープとは、患部を約25倍に拡大できる歯科専用の顕微鏡です。肉眼に比べて視野を大きく広げられるため、小さなむし歯や歯の表面のわずかなヒビなど、通常では見落とされがちな症状も初期のうちに見つけ出し、早期治療に貢献できます。
治療においては、「取り残されている感染部位」や「治療されていない根管」を発見し、病気を治癒に導くためになくてはならないものです。しかし、どんなにマイクロスコープが素晴らしい機器であっても、あくまでもよく見える虫眼鏡でしかありません。ルールに則った治療を行い、歯の中に細菌を入れないように配慮をした上ではじめて有効なツールになります。当クリニックでは感染への配慮を徹底的に行った上で、治療の際にはマイクロスコープを必ず使用します。

      

マイクロスコープによる拡大率の違い

弱拡大

強拡大

歯科用CT

歯科用CTで撮影したデータは、コンピュータ上で3D画像として立体的に再現できます。歯や歯槽骨の破壊状況、顎の骨の形状、神経や血管の位置など、レントゲンのように平面な画像では判別できなかった部分も明らかになり、より正確な診査・診断に欠かせない装置です。また、歯科用CTは、医科用CTに比べると被曝量が少なく、患者さんの体にかかる負担やダメージを少なくできます。
当クリニックのCTは歯科への意識の高い北欧生まれの機器で、一般のCTとは異なり診断の妨げになる映像を除去でき、スライス幅75μmの詳細で精密な画像が得られる特殊な機能が搭載されているCTを採用しております。このCTのおかげで、病気の原因を正確に特定・診断し、歯内療法をより正確に行うことができます。また、精密なデータを患者さんにも確認してもらうことで、治療内容への理解も深めていただいております。

超音波スケーラー「P-MAX2」

歯内療法を効率的かつ効果的に行うためには、超音波機器の使用が有効です。治療を行うにあたり、正常な歯質を削ることは極力避ける必要があります。しかし、タービンやコントラと言われている回転切削器具では、どうしても過剰に歯を削ってしまう危険があります。超音波チップを使用することで、感染している部分をピンポイントで除去することが可能となります。結果、正常な歯を多く保存することができ歯が薄くなるのを防げるため、歯の予後にも良い影響を与えます。また、歯の中の洗浄を行う際にも、超音波振動によるキャビテーション効果やアコースティックストリーミング効果を有効活用しております。

滅菌器

治療で使用した治療器具は、治療後に必ず高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を使用して滅菌処理を行っております。当クリニックで使用している滅菌器は、歯科で主流の従来型小型高圧蒸気滅菌器と違い感染予防の基準が厳しいヨーロッパ規格EN13060で、「あらゆる被滅菌物(固形、包装、多孔性、中空のある物)を完全に滅菌することができる」最高水準のクラスB準拠のオートクレーブです。従来型では滅菌が難しかった中空の機器内部や外科器具のヒンジ部分まで完全に滅菌する事が可能です。

生理食塩水

当クリニックでは、歯内療法を行う際にチェアーから出る普通の水道水ではなく、直接人体に入れても問題のない点滴としても用いられている生理食塩水を使用しています。チェアー内を通る水道水は雑菌を含むことが多く、たとえ高性能のフィルターや濾過装置を用いても限界があります。また、経年的にフィルター自体が劣化し、その機能をきちんと果たしていない危険性もあります。通常の歯科治療においてチェアーの水を使用することは全く問題ありませんが、無菌的な治療が望まれる歯内療法においては、使用する水・薬液の清潔さはとても重要です。

高純度精製水

当クリニックでは、歯科用器具の滅菌には、水道水ではなく、高純度の精製水を使用しています。従来の滅菌器は水道水を用いて滅菌を行っていましたが、万が一水道水に何らかの不純物が含まれていた場合、その不純物が含まれた水で治療器具を滅菌することとなるため、治療時に根管内に混入してしまう可能性があります。
可能な限り患者さんの根管内に細菌が入ることを防ぐ取り組みをしています。

ページトップへ戻る