- 再根管治療
再根管治療を受けたが、腫れが引かない。歯を抜きたくない!
通院時の年齢 | 48歳 |
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性別 | 女性 |
通院回数 | 3回 |
通院目的 | 2ヶ月前、3回目の根管治療を受けたばかり |
処置内容 | 再根管治療+支台築造 |
費用 | 154,000円+22,000円(※治療当時の費用になります。) |
備考 | 金属の土台が太く入れたばかり。抜歯は避けたい。 |
初診時
患者さんは2ヶ月前に3回目の根管治療を受けた後、新しい金属の土台を装着してもらいましたが、歯茎のニキビが再発し痛みがあり、何もしなくても歯が浮いているような感じがするという主訴でいらっしゃいました。
術前に徹底した口腔内診査に加え歯科用CT撮影を行い、病気の原因がどこにあるのか十分に精査しました。歯科用CTを確認すると、近心頬側の歯根に未処置に根管があり、この根管が原因で病変ができている可能性がありました。
患者さんに、①抜歯②再根管治療又は外科的歯内療法③経過観察等の選択肢のメリットデメリットをご説明しました。どうしても抜歯は避けたいというご希望があり、まずは再根管治療をおこなうことになりました。
治療1回目
デンタルX線写真では太く大きな金属の土台が入っています。まずは、この土台がスムーズに外せるかどうかが重要です。注意深く外さないと、歯自体が割れてしまう可能性があるからです。
可能な限り歯を削らず、過度な力をかけないように慎重に金属の土台を外します。幸いこの段階で歯の中に亀裂は見当たりませんでしたので、レジンの隔壁を作製した上でラバーダム防湿を行いました。
ラバーダム防湿をしたのち、歯の周囲を薬液を用いて消毒しました。マイクロスコープを用いて処置されていない根管を探索し、ニッケルチタンファイルで拡大形成しました。
もともと古い材料が入っている根管は、超音波チップとニッケルチタンファイルで感染部分を除去しました。このような再治療のケースでは、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて徹底的に洗浄することが大切です。根管内に殺菌のために水酸化カルシウムを入れ消毒済みの仮蓋で歯を封鎖して、1回目は終了しました。
治療2回目
2回目来院時には術前にあった痛みやニキビのようは腫れは収まっており、患者さんの表情も随分明るくなっていました。再びラバーダム防湿を行い仮の蓋を外し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液とEDTAにて根管内を満たして、超音波にて薬液を根管の隅々まで撹拌しながら洗浄を行います。十分に洗浄したら、根管内を根管バキュームとペーパーポイントで乾燥させます。根管充填(今回はGP+キャナルシーラー)にて根管内作ったスペースを埋めていきます。その後はコア用のレジンとファイバーポストによって土台を作製し、中に細菌が入っていかない状況にして治療を終えました。
術前で清掃できていなかった部分に、材料がしっかり入っているのがデンタルX線画像にて確認できました。
このような、入りたての新しい金属の土台を安全に取り外し、根管内の汚れた部分を徹底的に清掃するのには、やはり一回あたりの治療時間が1時間半〜2時間程度は必要であると感じます。歯内療法・根管治療でお困りの患者さんのお悩みを少しでも解決できるように、日々アップデートを怠らず精進して参ります。
同じような症状でお悩みの方、ぜひご相談ください!