- 再根管治療
染み止めをぬっていた歯にズキズキした痛みが出てきた。専門的な治療を受けたい!
通院時の年齢 | 50歳 |
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性別 | 女性 |
通院回数 | 3回 |
通院目的 | 奥歯にズキズキした痛みがある。根の治療の希望。 |
処置内容 | 再根管治療+コア築造 |
費用 | 154,000円+22,000円(※治療当時の費用になります。) |
備考 | ブラキシズムによる破折の疑いあり。 |
初診時
患者さんは2年ほど前にセラミックインレーを右下奥歯に入れてもらいましたが、ここ3ヶ月は冷たいものや温かいものがしみたりしてきました。主治医と相談しながら染み止めをぬって対応していましたが、ここ1週間でズキズキした痛みがあり、担当医により治療が行われました。治療後も少しズキズキした痛みは続いており、担当医より「根のカーブがきつく治療が難しい」との説明を受け、専門的な治療を勧められて私のところに紹介されました。
術前に徹底した口腔内診査およびデンタルX線撮影を行い、病気の原因がどこにあるのか精査しました。
術前の診査で、全顎的なブラキシズムによる破折を疑わせる所見が他の歯にも多数あったため、患者さんには①抜歯②再根管治療③経過観察等の選択肢のメリットデメリットをご説明しました。「できるだけ歯を抜かずに残して欲しい。」とのご希望があり、再根管治療を行うことになりました。
治療1回目
まずは、仮の蓋と以前詰められている詰め物を除去しました。歯の近心部分に破折を疑わせる所見があったため、感染部位を慎重に除去していきました。Zooでの簡易防湿下で染め出しを行うとかなり深い位置まで、破折線が確認できました。
患者さんに破折の事実を伝えた上で抜歯等の方法について相談したところ、「できるだけ歯を残したいんです。割れるまでなんとか使いたい!」とのご希望があったため、治療を続行しました。隔壁を行った後ラバーダム防湿下で、超音波チップとニッケルチタンファイルにて根管拡大形成を行い、水酸化カルシウム剤を貼薬しこの日は治療を終了しました。
治療2回目
2回目来院時には術前にあった痛み収まっていました。再びラバーダム防湿を行い仮の蓋を外し、超音波チップと薬液で根管の洗浄を行いました。十分に洗浄したら、根管内を根管バキュームとペーパーポイントで乾燥させ、根管充填を行いました。その後はコア用のレジンとファイバーポストによって土台を作製し、中に細菌が入っていかない状況にして治療を終えました。
術前で清掃できていなかった部分に、材料がしっかり入っているのがデンタルX線画像にて確認できました。
力による破折が疑われるので、早い段階で補綴をしていただくように主治医にお願いし、根尖病変の経過を患者さんと共に追っていくことをお伝えしました。
経過観察(1年)
術後1年の経過観察時のデンタルX線画像では、根尖病変の治癒が確認できました。問題なく咬めており、患者さんも大変満足されていました。ただし、破折がある歯ではありますので引き続き経過観察をしながら患者さんと補綴の担当医と歯の保存に取り組んでいければと思います。
歯内療法・根管治療でお困りの患者さんのお悩みを少しでも解決できるように、引き続き日々アップデートを怠らず精進して参ります。
同じような症状でお悩みの方、ぜひご相談ください!
※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。