CASE

症例紹介

  • 再根管治療
  • 意図的再植術

根の先から材料が飛び出している。痛いのでなんとかして欲しい。意図的再植術と再根管治療で治癒した症例。

通院時の年齢 37歳
性別 女性
通院回数 4回(初診+意図的再植術+固定チェック+再根管治療)
通院目的 根の先から歯科材料が出ている。痛い。
処置内容 意図的再植術+再根管治療(追加)+支台築造
費用 165,000円+77,000円+22,000円(※治療当時の費用になります。)
備考 根尖孔外に歯科材料溢出。病変と下歯槽管開口部が近い。

治療方針を決める際には、基本的には根管治療を先に行って歯の中の状況を改善してそれでも治癒しない場合に外科処置を行います。
しかし、歯の解剖学的問題や材料の溢出などにより、再根管治療での治癒が難しいケースでは、先に外科処置を行なって症状が改善するのを確認してから根管治療を行うケースもあります。
治療の適切なタイミングを見極めて、患者さんにとって費用対効果がよく、ご納得いただけるような方法をご相談の上、治療方針を決定していきます。
今回は、右側下顎第二小臼歯の意図的再植術を先に行い、症状が改善したのちに再根管治療を行なった症例をご紹介したいと思います。

 

初診時

患者さんは「左下の歯が痛い。」を主訴に来院されました。
かかりつけ歯科医院にて、再根管治療を受けたが、痛みが引かずにいたところ、主治医から「専門的に根の治療をしている先生のところで治療を受けてみてはいかがでしょうか?」と提案を受け、当院へとご紹介されました。

口腔内診査では、歯周ポケットや動揺はありませんでしたが、打診痛がありました。
デンタルX線とCT撮影をしてみると、根尖より歯科材料が溢出しているのが確認できました。
また根尖病変が大きく、下歯槽管の開口部が病変の真下にありました。
すでに複数回再根管治療が行われているにもかかわらず痛みが取れず、材料の溢出が見られる歯に対しては再根管治療を行なっても、高い成功率が望めない可能性があることも踏まえ、
①経過観察
②抜歯
③再根管治療→意図的再植術or歯根端切除術
④意図的再植術or意図的再植術→再根管治療
などの治療方針について、メリットデメリットをご説明したところ、④の意図的再植術→再根管治療をご希望されました。

患者さんは「自分の歯を出来るだけ残したいと思います。よろしくお願いいたします。」とおっしゃられ、次回より治療を進めることになりました。

 

治療1回目(右下5意図的再植術)

まず十分に麻酔を行い、奏効いているのを確認してから、鉗子にて抜歯を行いました。
根尖より飛び出している歯科材料を除去し、根尖部を切断、切断面をメチレンブルーにて染め出し、感染している部分を除去し、染め出しを行いながら問題ないと判断した時点でMTAセメントを充填し、元の位置に再植、ボンドで固定して1回目は終了いたしました。

 

治療2回目(固定チェック)

2回目来院時には症状はなくなっていました。
再根管治療を行なっても問題がないと判断し、次回より治療を進めていく旨を説明しました。

 

治療3回目(右下5再根管治療)

麻酔を行い、ラバーダム防湿を行い、仮封材を除去、根管内を形成・洗浄していきました。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液とEDTAを用いて根管内を最終洗浄し、ファイバーポストとレジンにて支台築造を行いました。術後のX線撮影を行い、今後病変がどうなっていくかを患者さんと一緒に見ていく旨をお伝えし、治療を終了しました。

 

 

 

 

経過観察(意図的再植術後2年)

術後3ヶ月の時点で、歯の揺れはなく、打診などの臨床症状もありませんでした。
6ヶ月経過観察時も臨床症状もなく、デンタルX線およびCT画像上でも問題なく経過しましたので、被せ物の装着へと移行していただきました。
術後1年では、病変の縮小傾向は見られるものの、完治とは言えないこともあり、引き続き経過観察することになりました。

術後2年の経過観察時に撮影したCT像では病変は治癒しておりました。

 

患者さんからは「今は痛くもなんともありません。治療してよかったです、ありがとうございます!」とのお言葉をいただきました。
痛みでお困りだったことを思うととても嬉しく思います。
治療を頑張ってくださった患者さんに改めて感謝です。
引き続き、抜歯したくない・なんとか歯を残したいと願う患者さんのために日々精進してまいります。

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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