CASE

症例紹介

  • 歯根端切除術

前歯の歯茎が腫れている、膿が出ていて痛い。被せ物を外さず治療してほしい。歯根端切除術を行った。

通院時の年齢 76歳
性別 女性
通院回数 3回(初診+歯根端切除術+抜糸)
通院目的 前歯の歯茎が腫れている、膿が出ていて痛い。歯を抜きたくない。
処置内容 歯根端切除術
費用 143,000円(※治療当時の費用になります。)
備考 連結冠を外さずに病気を治してほしい。

根管治療を行なっても治癒しない場合や、被せ物を外せない場合、根管治療が難しい場合などは、歯根端切除術や意図的再植術などの外科的歯内療法が適応になることがあります。今回は複数の歯が補綴でつながっており、補綴を外さずにピンポイントで病気を改善したいという希望を解決した症例をご紹介します。

初診時

患者さんは左上前歯にニキビのようなものができて違和感があることを主訴に来院されました。以前から疲れるとたまに痛いことがありましたが、体を休めて数日様子を見ていると回復していたため、そのままにしていました。

口腔内診査、デンタルX線およびCT撮影を行うと、主訴である左上1に根尖病変が確認できました。また、右上1・左上2に関しても病変は確認されましたが、現在症状がなく特に問題を感じていませんでした。

治療方針としては、
・経過観察
・抜歯し欠損補綴
・被せ物を外して再根管治療
・被せ物を外さずに再根管治療
・被せ物を外さず歯根端切除術
など治療法についてのメリットデメリット、放置しておくことで将来的に起こりうるトラブルや、治療そのもののリスクについてご説明しました。

患者さんは被せ物を外さずに左上1の歯根端切除術のみをご希望されました。

 

治療(歯根端切除術)

痛みと出血のコントロールのために十分な浸潤麻酔を行い、歯茎を切開剥離していきました。根尖部を明示し、根尖付近の肉芽組織を除去、根尖を切断し断面を染め出して病気の原因を確認しました。根管内やその周囲の感染部分を超音波チップを用いて除去し、逆根管形成を行いました。感染部の除去ができたことを確認し、MTAセメントにより逆根管充填を行いました。マイクロミラーとデンタルX線でMTAセメントが根管内に充填されていることを確認し、歯肉を元の位置に戻し縫合していきました。

抗生物質と痛み止めをお出しし、歯根端切除術を終了しました。

 

抜糸(術後1週間)
一週間後に抜糸のためにご来院いただいた際に術後の状況をお聞きすると、「2日ほど少しズキズキしましたが、その後は特に痛みや腫れもなく過ごせてました。痛み止めも特に飲まずに済みました。」とのことでした。

病変経過を患者さんと共に追っていく旨をご説明し、経過観察へ移行しました。

 

経過観察(術後1年)

患者さんは、経過観察中に腫れたり痛みが出ることもなく、無事に術後1年が経過しました。

デンタルX線撮影を行うと、歯根の周りのX線不透過性が増しており、骨が回復傾向であることが伺えました。

病変の詳細な状態の確認のために、CT撮影を行いました。
CTでは明確に術前にあった病変が縮小し、骨が再生していることが確認できました。

患者さんから「被せ物を外すことなく、無事に病気が治ってくれてとても嬉しいです。また他の歯に問題が起きた際はよろしくお願いします!」とのお言葉をいただきました。両隣の歯が今後トラブルを抱えてくる可能性もありますので、これからも経過をみていきたいと思います。

患者さんの被せ物や病変の状態によっては、今回のように外科的歯内療法が必要になるケースがあります。歯内療法でお困りの患者さんのお悩みを少しでも解決できるように、今後もアップデートを怠らず精進して参ります。

同じような症状でお悩みの方、ぜひご相談ください!

※これらすべてのX線写真やCT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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