CASE

症例紹介

  • 再根管治療
  • 歯根端切除術

前歯の病気が大きく治療が難しいと言われた。再根管治療と歯根端切除術で治癒した症例。

通院時の年齢 22歳
性別 女性
通院回数 5回(初診+再根管治療+歯根端切除術+抜糸+根管充填・支台築造)
通院目的 前歯の病気が大きく治療が難しい。
処置内容 右上2再根管治療+支台築造+歯根端切除術(半額)+左上1歯根端切除術
費用 176,000円+22,000円+71,500円+143,000円
備考 根尖病変が大きく、排膿あり。根管治療困難。

初診

患者さんは前歯の治療を希望されて、来院されました。
マウスピース矯正のリテーナ中のチェックでかかりつけ歯科医院に通われていましたが、2週間前に急に腫れ出しました。
かかりつけ歯科医院にて右上2の再根管治療を開始しましたが、膿が出続けるため、治療が難しいと言われたとのことでした。

来院時は右上2は仮封がされておらず、口腔内診査では異常な歯周ポケットや動揺はありませんでしたが、打診痛がありました。
CTでは、右上2に隣の歯を巻き込むほどの大きな根尖病変が口蓋側まで到達しており、左上1にも根尖病変が確認できました。
また、右上2は根尖孔外に歯科材料の溢出が疑われました。

治療方針として
①経過観察
②抜歯
③治療(再根管治療・歯根端切除術)
などのついてのメリットデメリットについてお伝えしました。

治療する歯が複数本あることや費用的なこともありましたので、一度ご提案をお持ち帰りいただきました。
後日、患者さんよりご連絡をいただき、まずは再根管治療を行い、治癒しない場合や再根管治療が難しくなった場合は歯根端切除術へ移行することになりました。
また歯根端切除術を行う際には、相談の結果、右上2と左上1を同時にすることになりました。

 

 

治療1回目(右上2再根管治療)

麻酔を行い、ラバーダム防湿・コーキングおよびヨードと過酸化水素水による術野の消毒を行いました。
根管内は汚染されており、根尖部を洗浄すると次から次へ排膿してきました。
しばらく洗っては膿を吸うを繰り返しましたが根尖部からの膿がおさまらないため、根管からのアプローチは難しいと判断しました。
一旦根管内を消毒して封鎖したのち、改めて歯根端切除術についてご説明し、次回歯根端切除術へ移行することになりました。

 

治療2回目(右上2左上1歯根端切除術

浸潤麻酔をしてから、歯肉を切開剥離し、根尖部の病変および漏れ出ていた歯科材料を除去しました。
歯や骨から嚢胞や肉芽組織を除去し、破折がないかを確認していきました。
破折線はなかったので、根尖部を切断し逆根管形成および逆根管充填(MTAセメント)を行い、縫合しました。

 

 

治療3回目(右上2左上1抜糸

術後1週間で抜糸のために来院いただいた際にも、ほとんど痛みなく経過していました。
歯茎の状態も順調に経過していたため、次回右上2の根管充填と支台築造を行うことになりました。

 

治療4回目(右上2根管充填)

麻酔を行い、ラバーダム防湿・コーキングおよびヨードと過酸化水素水による術野の消毒を行いました。
根管内を洗浄・消毒を行い、防腐剤を充填し、その上からファイバーポストとレジンにより支台築造を行いました。
術後にデンタルX線を撮影し、今後患者さんと共に病変の治癒を確認することをご説明し、治療を終了しました。

 

 

経過観察(術後1年)

治療後は症状もなく、問題なく経過しておりました。
術後1年の経過観察時のCT撮影では、右上2左上1共に根尖病変の治癒傾向がみられました。

 

 

「一般的な虫歯の治療と比べると大きい治療だったので怖くて不安でしたが、無事に治ってよかったです。ありがとうございます。」とのお言葉をいただきました。

再根管治療と歯根端切除術を駆使することで、大きな病変をもつ歯を無事に保存できたことを嬉しく思います。
引き続き大切な歯を少しでも残せるように日々精進してまいります。

※これらすべての口腔内写真やX線写真・CT画像は、歯の保存治療普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。

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