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当院にお越しになる患者さんは、多くのお悩みを持って来院されています。
その中でも多いお悩み相談として、「再根管治療しましたが残念ながら治りませんでした。抜歯するか様子をみるかになりますが、どうなさいますか？」と言われて、どうしていいのかわからなくなったというものです。
果たして、根管治療で治らなかったら抜歯するか様子見するしかないのでしょうか？
今回はこの点について、お話したいと思います。

＊根管治療すれば病気は治るの？
まずは、根管治療の成功率について、触れておきます。
あくまでも無菌的に行われた治療が前提にはなりますが、根管治療（初めての根の治療）の成功率は、病変の有無にもよりますが概ね80~90％程度とされており、高い成功率が見込めます。
一方、再根管治療は歯の状態によって成功率には大きな差があり、40%~80%とかなり幅が広い結果になります。
特に歯の元々の形態が破壊されている、歯に大きな穴が空いている状態だと成功率はかなり低くなってしまいます。

＊根管治療で治らなければ抜歯になるの？
では、治療して治らない場合は、抜歯するしかないのでしょうか？
実は歯根端切除術や意図的再植術などにより、根の先の病気を直接除去することによって自分の歯を残せる可能性があります。
歯にもよりますが、治療自体は90％程度の成功率があります。

＊根管治療だけなく、外科治療まで選択肢に入れてご検討を。
根管治療で病気が治ってくれればそれが一番いいのですが、前述の通り、根管治療・再根管治療だけでは治らないケースも当然出てきます。
ですので、治らなかった時のことも考え、外科処置が必要になる可能性も考えておく必要があります。
治療を受ける際は、事前に
・再根管治療の成功率
・根管治療が失敗した際の対応（外科？抜歯？様子見？）
・外科治療が可能かどうか
についてはご確認しておくことをおすすめいたします。

以上、再根管治療後に病気が治らなかった場合の治療法である、歯根端切除術と意図的再植術についてお伝えしました。
同じようなシチュエーションの症例がございますので、よろしければお読みいただければと思います。

・左下の奥歯が噛むと違和感がある。病気があり抜歯と言われたが抜きたくない。再根管治療と歯根端切除術で治療した症例。

・セラミッククラウンの入っている右下の奥歯が咬むと痛い時があり、ニキビのようなものができている。再根管治療したがサイナストラクト（フィステル）が消えないため、意図的再植術を行なった症例。

歯根端切除術や意図的再植術の術式につきましてはこちらをご参照ください。

このブログが皆様の意思決定の一助になればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後も一本でも多くの歯を保存できるように精進してまいります。

参考文献

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de Chevigny C, Dao TT, Basrani BR, Marquis V, Farzaneh M, Abitbol S, Friedman S. Treatment outcome in endodontics: the Toronto study–phases 3 and 4: orthograde retreatment. J Endod. 2008 Feb;34(2):131-7.

Gorni FGM, Gagliani MM. The outcome of endodontic retreatment: a 2-yr follow-up. J Endod 2004;30:1–4. 

Setzer FC, Shah SB, et al : Outcome of endodontic surgery: a meta-analysis of the literature-part 1: Com- parison of traditional root-end surgery and endodon- tic microsurgery. J Endod 36: 1757-1765, 2010.

Torabinejad M, Dinsbach NA, Turman M, et al. Survival of intentionally replanted teeth and implant-supported single crowns: a systematic review. J Endod 2015; 41:992–8.